今朝方、夜明け前に「 嘔吐きのY」こと隣人Yが、また迷惑も顧みずに嘔吐まくっていた為に、その喧しさで目が覚めてしまった。起床にはまだ随分と早い時間だったから、布団を被ってなんとかやり過ごすのだが、再び眠りに入ろうかという頃、またYが嘔吐き始めて目が覚める、を何度も繰り返し、余っ程怒鳴りこんでやろうかと考えたが、その後の煩わしい展開を想像して止めた。生活音筒抜けの、こんな薄壁のアパートにしか住めない己の不甲斐なさを、只々恥じ入るばかりだ。それにしても、あんな嘔吐き方を繰り返しているYは、その原因がどうであれ、心身への負荷が徒事では済まないだろうと、そう考えた時、僕は少しほくそ笑んだ。僕もまたクズ野郎なのであった。

昨日、普段は平日に行くコインランドリーに、スケジュールの関係上、やむを得ず行くことになったのだが、カップルが度々訪れて鬱陶しいことこの上なかった。おい、大した量でもあるまいし、洗濯くらいどちらか一人で来られるだろうと。その足でスーパーに行ったら、そこにもカップルが多かったし、マジファックな日曜。ここ数日の堆雪で細くなった路地を、カップルが手を繋いで我が物顔でのろのろ歩いていたから、抜き去る事も能わず。脳内で思いっきり延髄斬りをお見舞いしてやる事で、昂ぶる気持ちを抑えた。我ながら清々しいほどのクズ野郎ぶりであった。こうしてまた新しい1週間が始まる。

 

映画鑑賞記

クレイグ・ゾベル監督作「コンプライアンス 服従の心理」("Compliance" : 2012)

米国で多発した通称「ストリップサーチいたずら電話詐欺」を題材にした再現風ドラマ作品。

その日、ファストフード店「チックウィッチ」の店長サンドラは、いささか余裕を失っていた。唯でさえ、来客の多い金曜で多忙を極めるのが予想されているのに、前日の夜に従業員の誰かが冷凍庫の扉を閉め忘れたせいで、在庫を廃棄せざるを得なくなり、1400ドルものロスを出してしまった。開店前に大急ぎで、最小限の在庫を追加で搬入してもらったものの、その日乗り切れるかどうかは難しい状況だった。更に、その日は本部の社員が客を装って査察に来る日でもあり、店内環境や従業員の態度は普段以上に気を配る必要に迫られていたのである。開店後、程なくして、警察官を名乗るダニエルズという男から電話がかかってくる。営業中にレジの若い女性店員が客に窃盗を働いたとの事で、警察に被害の届出が来ており、目撃証言もあるという。該当するのはベッキーのみだが、サンドラには俄に信じられなかったし、当然ベッキーも否認した。迷いを伺わせるサンドラに対し、ダニエルズはサンドラの責任ある立場に理解を示す一方で、度々警察官の権威を振りかざす様に厳しい言葉を浴びせ、サンドラを言葉巧みに懐柔していく。ダニエルズは、ベッキーがどこかに盗んだカネを隠し持っているはずだと主張し、自らが店に到着する前に、衣服を脱がせて身体検査を行う様にサンドラに命令し、サンドラはこれに応じるのだった。

警察官を名乗る変態野郎が、電話越しに人を介し、身体検査と称して少女に陵辱の限りを尽くすという、実在の事件"Strip search phone call scam"(ストリップサーチいたずら電話詐欺)を、事実ベースで再現したスリラー風ドラマ。本作では、多忙を極めテンパり気味のファーストフード店の店長の女サンドラが、警察官を名乗る男ダニエルズからの電話を受け、何一つ裏付ける証拠もないままに、唯々諾々と男の指示に従ってしまい、うら若き従業員の女ベッキーに常識では考えられないような、素っ裸にしてまでの身体検査を行う。しかしサンドラは唯でさえ、ぎりぎりの人手で回しているところを、ベッキーが抜けた事で、自らが店に出ることを余儀なくされる。それを男に訴えると、信頼できる人間を手配する様に命ぜられ、サンドラは再婚予定の男ヴァンを呼ぶ。ダニエルズはヴァンをも言葉巧みに懐柔し、ベッキーに対し身体検査と称したレイプ同然の蛮行をさせる。「乳首はどんな感じだ?」「剃毛はしているのか?」など、言葉にするのも憚られる程、異常なやり取りが繰り返される。サンドラもヴァンも、電話口の男を信頼しきっているワケではなかったのだが、迷いや抵抗を見せると、その都度ダニエルズは「それが警察官に対する態度か!」と恫喝する。その一方で、「君は本当に良くやっている。信頼できる人間だ。」などと甘い言葉も忘れない。しかし、さすがにどこかの段階で気付くだろうと、終始観ていてイライラさせられっぱなしだった。最終的にベッキーはオーラルセックスまで強要される。傍から見てこんなバカバカしい事件が、30州に渡って70件も行われていたというのだから驚きだ。本作のチックウィッチは仮称で、実際はマクドナルドなのだが、訴訟の末、会社として被害者の女性に約6億円の支払いを命ぜられたという。ただ、胸くそ悪い内容ではあるけれど、ひとつの作品として良く出来ているとは思う。

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NHK「プロジェクトX 挑戦者たち パンダが日本にやって来た ~カンカン重病・知られざる11日間~」(2000)

初来日したパンダのペアの飼育に奮闘する、当時の上野動物園スタッフの奮闘劇。この回は最近になって商品化された様で、未見だから興味深く鑑賞した。日中国交正常化を記念して、ジャイアントパンダのカンカン♂とランラン♀が、中国から上野動物園に贈られる事になったのだけど、二頭は人工飼育ではなく、野生下で誕生した個体だったのね。当然、中国とは国交が無かったワケだから、パンダに関する基本的な情報すら皆無に等しい状況で、飼育担当の中川志郎氏らが、手探りでパンダの飼育に臨む事になると。官邸からは努々死なせぬ様にと釘を刺されてしまい、中川氏は戦慄するワケですな。パンダに不足の事態が生じた際には、早急に官邸に連絡する運びとなっていたらしい。ここに当時の日中二国間の雰囲気を感じる。中川氏らにすれば、毎日の餌すら何を与えていいか不明なのに、パンダは国民の大歓迎を受けて到着してしまう。ところが到着して早々に、カンカンが風邪を引いてダウンしてしまうのだ。安易に抗生物質を与えるワケにもいかず、中川氏らは咄嗟の判断で、中国と言えば漢方だということで、近所の薬局に走ったそうだ。人間の子供用と称して調合してもらった漢方を、ミルクに煎じて飲ませたら、カンカンはあっという間に回復したというから、なんとも不思議だねぇ。その頃に比べれば、馴染み深い存在となったパンダだけど、シンシンとリーリーの子供が死んで、園長が涙ながらに会見していた時の事を思い出すと、今以ってパンダは他の動物とは異なる存在なんだと痛感しちゃうな。

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